TOP伊集院光 深夜の馬鹿力 ≫ 伊集院光、凄まじく手間の掛かる山岳自分撮りを行う吉野和彦医師の言葉に感動「苦労を感じて欲しくない」

伊集院光、凄まじく手間の掛かる山岳自分撮りを行う吉野和彦医師の言葉に感動「苦労を感じて欲しくない」

2015.09.08 (Tue)
2015年9月7日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00-27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、テレビ朝日系の番組『タモリ倶楽部』「自分撮り山岳ガイド」の回で共演した吉野和彦医師に再び会って教えを請いに行ったと明かしていた。

みうらじゅんの思春期こじらせバラエティ 青春カタルシス [DVD]

伊集院光、吉野和彦に山岳自分撮りの教えを請う

伊集院光:長野で、前に『タモリ倶楽部』で(「自分撮り山岳ガイド」の回)お会いした人なんですけど。吉野(和彦)先生っていう、お医者さんなんですよ、本業は。

山が大好きで、山の紹介をする山岳ビデオを撮るんです。「この山は、こういう風に登ります。こういうところの景色が良いです。ここが難所です」とか。「ここの分岐点では、左に行かないとダメですよ」とか。

そういう山をビデオに撮る。趣味なんだけど、もう趣味のレベルじゃない。『タモリ倶楽部』で取り上げられるくらいだから。…っていう人がいて。この人がなぜ、『タモリ倶楽部』なのかっていうと、まぁ変わってる撮り方で。

1人でマルチアングルで撮りたいっていう。要するに、僕らがロケに行くと…僕らが山を歩いてたりすると、前から僕のバストアップを撮ってる人がいたりとか、ちょっと遠くから移動してる僕を撮ってる人がいたりとか。横から、とか。

色んなスタッフが付いてきて、色んな機械を入れるじゃないですか。僕もア○ルバイブを挿れっぱなしで、それを遠隔操作する人もいるじゃないですか(笑)…それで、ちょっと照れるのは、吉野先生が、僕が行ったことに物凄い感激してくれて。今日、聴いてるっぽいんですよ(笑)

その聴き方も尋常じゃなくて、吉野先生のお宅では、どうやらネット局が入らないらしいんです。長野はネットしてないもんね。だから入ってなくて、吉野先生のFacebookを見てたら、「久しぶりに○○山を登った時に使ったラジオに電池を入れ替えて、聴けるようにしました」って書いてあって。「今日、夜に電波がキャッチできるところまで行くつもりです」って(笑)

吉野先生、あのねぇ、僕、こういう人間なんです(笑)ア○ルバイブみたいなことを言うんです、すみません(笑)

山岳自分撮りの大変さ「3回山を登る」

吉野先生はとにかく山を撮る人なんです。しかも、山に登ってるさまを撮る人で。でも、パッと見た人は、マルチでカメラが回ってる。遠くから撮ってる画もあれば、近くで撮ってる画もある。だけど、遠くから撮ってる画の中に、近くにスタッフがいないってことは、正面からはかなり望遠で撮ってアップを撮っているんであろう、とか。

あと、山頂に登った瞬間の画なんていうのは、何個も切り替わるんで、よほどの大所帯で撮ってるんだろうって思う作りなんだけど、この人は1人で撮る人だから。分かりやすいのは、「今から山に登るぞ」って画を撮るとするじゃないですか。そうすると、自分が山に向かっていく、カメラから遠ざかっていく画があり。横の画に構えると、今度は斜めの坂を登っていく、横スクロールする自分が映り。最終的に、上から自分が向かってくる画があるじゃないですか。

これ、3回山に登って撮ってるんです。この人は、1回、自分の三脚をケツの後ろに立てて、見上げる形で位置を決めたら、そのまま歩いて行くんです。歩いて行って、「大体、ここまで撮れたな」って思ったら、戻って来て、このカメラを回収するんです。

それで、一旦、上まで登るんです。登って、今度は下に向けたカメラを三脚で設置したら、降りるんです。それで、もう一回上がってくるんです(笑)それで、止めます。止めたら、今度は一番キツイ横位置です。横位置は、もっと手前で分岐してる、ある意味、山登りの他のルートまで行き、かなリ前から分岐しているところを遠回りして、間、崖を挟んでる他のルートに行き、望遠で横が撮れるヤツを設置して、また元の位置に戻り、上に登っていくんです(笑)

それでこの戻ってきた横の位置のカメラを回収して、これでやっと一個の坂の三カメからの画が撮り終わるんです。こだわりが凄いから、向いてる方向が合わなきゃイヤなの。歩き出しの時に、右を見てたら、絶対に右の方を見てなきゃイヤなんですよ。その辻褄が合わないヤツはイヤなんですよ。

これ、なんで教えを請いたかったって言うと、僕らもこの真似をしてみたいんです。チャレンジ企画で、テレビでやりたいんです。だから、本来はどうやるのかを教えて欲しいっていうことで、お話を伺いに行って。お医者さんで忙しい方なんで、ヒマな時間があればってことで、お伺いしたんです。

山岳自分撮りの手順

そしたら、まあ信じられないんだけど。「どういう手順で行くんですか?」って。俺が思ったのは、スタートするときに、手前にカメラを置いて、自分が去っていくというか、登っていく画を撮って。それで、これを戻ってきて回収して。上に行って…って感じで撮るのかなって思ったら、「まず最初に、とりあえず全部登ります」と(笑)カメラで撮らずに。

まず、この山の魅力とは何かを考えながら、どの画が要るかってことを考えながら登ります。それで、山頂に登りましたって画を撮るんです。何故なら、この山が一番美しい時間。山から見える景色が一番美しく、空気が澄んでいる時間は朝だからです。

だから、明け方くらいから登り始めてる時は、画が繋がらなくなっちゃうから、まだ撮っちゃダメなんです。そこに咲いてる水芭蕉越しに撮りたいってことは、あのポイントからは一回、打たなきゃいけない、とか考えながら。「一旦、降りて水芭蕉の咲いている湿原の向こう側まで歩いて行って、カメラを掛けてだな」っていうのを考えながら(笑)

まず最初は、頂上まで行った画を全部撮る、と。この時に、これがまたスゲェなって思うんだけど、俺らは、どれだけズッコけるかを撮りたいわけ。バラエティ番組だから。どれだけ大変で苦労するかっていう、クソマゾ企画ですから。俺がどんだけ膝をいわせるかってことを含めて撮りたいんだけど、吉野先生は違うのよ。吉野先生は、どれだけ山が美しいか、しか撮りたくねぇから。それにしか意味がねぇから。最初に山の地図を確認した時に、「朝○時に光がこっち側から入るから、この角度だと逆光になってしまって、一番見せたいところが撮れない」ってことになると、スタートの時間を変える、とか。

スタートのシーンを多くする時には、あらかじめ、向こうに聳える○○山が一番綺麗に見えるところ、で撮ったり。今ままで来たルートが一番綺麗に見える時は、上からのお迎え、みたいなのを多くしたり。

地形図とかで、予測はするし計画は立てるけど、その朝の行きにある意味、絵コンテを全部決めて、撮り始めるっていうのよ。それで、主役は山なわけ。『タモリ倶楽部』でもそうだし、俺たちが一番興味あるのは、ズッコケなわけ。本人に聞くと、結構、ズッコケはあるんだよね。

逆スイッチっていうのがあって。これは、録画ボタンって、一回押すとスタートじゃん。それでもう一回押すとストップじゃん。それが逆に入ってるっていう。どっかでワンタッチしちゃってて。要するに、歩いてる時に延々と地面を撮ってて、「今からスタート」と思ってるところで、止めてるんだよね。それで、そのまま谷を渡って元来た道を行き、水芭蕉舐めの横スクロールの山、しかもかなりの崖を登っている自分を撮り終わり、それで戻ってきてボタンを押して、止めたつもりで家に帰ってくるじゃないですか。それで編集しようと思った時、もうイヤな予感がするんですよ。何故なら、道路が映ってるから(笑)

吉野医師に感銘を受けた言葉「苦労を感じて欲しくない」

俺らは、それこそが凄いっていうか、それこそ面白いって思ったりするんだけど、「そこの苦労とかは感じても欲しくない」って。スゲェなって思ったのが、上映会をやってるんですよ。本当に分かってくれる人だけが観てくれれば良いってことで、上映会を細々とやってるんですよ。お医者さんの仕事の合間に。

それでグッと来るのが、「苦労を絶対に感じて欲しくない」って。俺らは、ゲスに苦労の話をしてるけど、吉野先生はそう思われたくないところの話をしてるけど、吉野先生は、「あの山、登ってみたいなって思ってくれ」と。「あの山綺麗だな、登ってみたいな」って思ってくれる画を撮りたくて、自分の知ってるやり方は、これしかない。

それで、我流で覚えてきたらしいんだけど、これだけ『タモリ倶楽部』も出たし、上映会にも来る人がいるから、「色んな手伝ってくれる人だっているでしょ?」って言ったら、それで俺のハートを掴んで離さないのは、「1人でやりたい」と。

1人でやりたいその理由は、「今の良いのかな?おかしかったのかな?ダメなのかな?いや、良いのかな?あ…結局、良かったか」みたいなことで、人に迷惑をかけるっていう。もしくは、「自分はそこを強く言える人じゃないから、周りの人に迷惑をかけた分、今のでOKになっちゃうとか。そういうことが、ダメなんです」と。

凄い穏やかで優しい人だから。俺たちが来るってだけで、「何もありませんけど」って、そんなに器用な方ではないと思うんですけど、リンゴを剥いて、紅茶を淹れて待っててくれるような優しい人なんだけど。「1人でやりたい」っていう、そこ凄いグッとくるんだよね。

それで、色んな作品をわざわざDVDで焼いてくれてさ。それも本当に良い感じで、「お邪魔じゃなければ」感が凄くて。俺は、欲しくてしょうがない、観たくてしょうがないけど、それをくれたりして。

過酷な尾根での撮影

タイトルの中に、「○○登山道」とかじゃないのよ。「○○尾根」って。尾根って、もう道じゃないじゃん。そういうのも撮ってて。「これ、尾根って書いてますけど」って言ったら、遭難まではいかないけど、かなりのアクシデントになるらしいんだよね(笑)

「ここは急なので、気をつけてくださいね」であり、だからこそその先に待ってる絶景が良いんですよっていうところを撮るために、かろうじて通れるところ、全部撮れるっていうのは、もう通れないところだよね(笑)命懸けで三脚立ててくるところだよね。それで、三脚を立てて、この角度で自分が手前から向こうまで行けば撮れるってやるじゃんか。

それで、なんとか三脚を設置した時に、最後の足場がガラガラっていったりするわけ。「ああ、危なかった」って思うじゃん。それで尾根を撮るじゃん。その後、さっきの足場は、崩れちゃったわけだよね(笑)そうすると、未来永劫、そこに三脚は立っているってことになるよね、みたいな(笑)でも、それはなんとか取り戻さないと映像はないからやるんだけど、そんなことの繰り返しで。

面白いのが、全部、頑張って頑張って、自分で学んで作ってるから。俺らからすれば、「こういう最新の機材がありますよ」みたいなことはなくはないんだけど。でも、吉野先生の信頼の中では、今流行りのハードディスクにしてしまうと、カメラが山を落っこちてしまった場合、ハードディスクは二度とアクセス出来ない可能性があるけど、テープならなんとかなるって信頼性で、テープのままだったり。あと、1個ダメになった時のために、2個カメラを持ち歩くっていう(笑)

俺からすれば、非効率だけど、自分のペースでやるやり方はこれなんだって。「これ、どういう風に学んだんですか?」って訊いたら、自分にこの道を教えてくれた、立石(恵一)監督っていう師匠がいるって。

立石監督がスゲェのは、その場でナレーションも録るの。実況。「この山は何 mで、こうで、ここに生えてるのはこれで…」とか。ニコ生とかやった方が良いよって思うんだけど(笑)

その穏やかに落ち着いて喋る吉野先生はそこで、「さすがに無編集でいけるような実況は僕には無理だから、立石監督には敵わないんです」っていう。おいおいおい、この上がいんのかよっていう。

34歳で始めた登山

とにかく、最初は自分でビデオカメラを持った感じで撮ってたりとか、マルチをやるようになったり、テロップはこういう風に入れた方が良い。このフォントはこういう風に見える、とか。あと、登山道のどこまで来てるのかを描くのに、Illustratorの使い方を覚え。

ありとあらゆることを、我流でやってくの。今、54歳で、「これいつから始めたんですか?」って訊いたら、「初めて山に登ったのが、34歳です」って。割りと最近じゃねぇかよって。34歳で山に目覚めてから、54歳でこうなるまでの…「ただ好きだ」っていうだけでの上達とスピードの早さが尋常じゃないの。

【関連記事】
伊集院光、ガレキマニアの祭典『ワンフェス』のマニアっぷりに驚き「需要と供給のバランスなんか関係ねぇ」

伊集院光、女芸人ロリィタ族。の衝撃的過ぎるラジオ番組でのトークを絶賛「久々の天才が出ましたよ」

伊集院光、ザキヤマが東京03の舞台『FROLIC A HOLIC』でやりたい放題するも大爆笑・感動


同一カテゴリー記事


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

フォローしていただくと、更新情報をお知らせします
  • follow us in feedly

タグ : 伊集院光,

トップページへ  |  この記事へのリンク  |  伊集院光 深夜の馬鹿力

本日の注目記事