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伊集院光、明石家さんまのMCとしての凄まじい能力を改めて解説「周りに芸人がいない場面でも上手く立ち回れる凄さ」

2014.10.28 (Tue)
2014年10月27日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00 - 27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、改めて明石家さんまのMCとしての能力の凄さについて解説していた。



「明石家さんまは面白い」が当たり前となっている事実

伊集院光:今週気づいたこと…今週、ビックリしたんです。明石家さんま、超面白い。…こんな感じになるのは分かってますよ。先週の番組を観て気づいて、みんなに「明石家さんま、超面白くない?」って言うたびに、「知ってますけど」って空気を出されますよ、みんなに。「今、気づくことでもないでしょ?」っていう感じになるんですよ。

「何を今更?」みたいになるんですけど、明石家さんま凄い。あえて、「さん」付けしませんわ。同業者だから、「さん」付けするじゃないですか。テレビ観ている時には、「さんま、さんま」って言ってたのに、同業者になったら、さんまさん、とかタモリさん、とか言うじゃないですか。そうじゃない地元の友だちとかが「さん」付けで呼ぶと、「お前、なんだよそれ。お前の立場はそれじゃないだろ。むしろ、さん付けするなよ」みたいになるけど。

もう、あまりの差に、「明石家さんま、面白い」で良いですわ。カミさんとかにも言ってるんですけど。「ちょっと、起きろ。明石家さんま、凄いぞ。超面白いぞ」っていうのに、「うん…それが?」みたいな。

まず一つ言わせてもらうと、そういうことになってるのがもう凄いじゃないですか。だって、面白くて当たり前なわけですから。そんなに面白くないヤツが…「ちくわマンが面白い」って話だったならば、みんなの反応は、「ちくわマンって誰?」っていうのがありますけども(笑)

面白くなくて当然の人が面白いと、みんな反応しますけど。「明石家さんま面白い」はみんな知ってることだから、誰も驚かないじゃないですか。でも、そうじゃない。それを越えて面白いんだけど、この話、誰も食いついてくれないんだよね。

芸人のいない『踊る!さんま御殿!!』での見事な立ち回り

この間、『さんま御殿』のスペシャルを観てて、ドラマ『きょうは会社休みます。』開始記念スペシャルみたいなのが入ったわけ。僕は基本、そういう回に興味ないんですよ。だって、ドラマ観ないんだから。ドラマ観ないのに、その煽りの番組観たって面白くないじゃないですか。

いつもはバラエティに出ない俳優陣が、降りてきてくださる、みたいな回なわけですよ。目玉は、綾瀬はるかちゃんとか、玉木宏さんとか、その『さんま御殿』のゲストの全員が、『きょうは会社休みます。』の出演する俳優だけっていう回で。

こういう回は、正直、僕にとって面白くないです。そんなに好きな回じゃないんです。でも、凄いなって思ったのは、その中に芸人的な「いざとなったら、そこが繋ぎますよ」みたいな、保険みたいな人がいないんですよ。

ラジオ聴いてる人にはぶっちゃけますけど、俺なんか輝くところはそんなところしかないですよ。保険みたいなところですよ。「一応、伊集院いれば、なんとか話を埋めるだろう」っていうようなところで、スタッフからしてみれば、「アイツ置いておこうか」っていう、芸能界の送りバント職人を置かれるわけですよ。若い、ガンガンとホームランを打つヤツよりは需要はないけど、誰よりも送りバントを上手く決めるぜ、みたいなところをなんとか頑張って行こうっていう、中年男性ですよ。そういう人が本来、いるはずなのに、いないんですよ。

なのに、この回の異様な面白さっていうか。テーマがあって、事前アンケートとか事前取材があるから、さんまさんは「このテーマの時に、この人は面白い話を持ってますよ」っていうのが分かってるわけですよ。

「共演者の不思議なところ」みたいなテーマで、若手俳優さんが「吹越満さんは、時たま、ズボンを中途半端に下ろしてる。何なの、あの行動?」みたいなことを話してたんですけど、その最中に、お笑い同士のキャッチボールでは考えられないんだけど、「アレは俺、腰痛でコルセットをしてるから。コルセットがズレないように確認してるんだ」って言うのね(笑)

もう、あり得ないじゃん。送りバント職人っていうのは、才能がない分だけ、そういうパターンを全部把握してて、「こういう時には、こっち側に転がす。確率の高さを求められてるんだから、なるべく大振りはしない」みたいなことをずっとやってきた人間からすると、「何、それ」って思うの。そのめちゃくちゃなヤツって。

でも、そこから先の明石家さんまの仕切りが、「何、このゾーンを台無しにしてんねん」から始まって、「それはみんなからの疑問や、『それ、私も見た』って全員振って、謎が高まったところで実際訊いて、『何だ、それか』じゃないか」っていう、思ったままを全部ぶっちゃけて。一人ずつ、また「なんでそんなことをしてると思う?」って振り始めるわけ。「コルセット」っていう答えは無しで。

そうすると、振られた人の中で、「でも、腰痛でコルセットが…」って言い出しちゃう人もいて、「せやないねん」って言って、次の人にまた振って。それで、次の人の勘の良い人は、「面白い他の解答が思いつかなかったら、むしろ『腰痛でコルセットが…』って重ねるっていうのはあるはずだ」って学習して、その場で「腰痛でコルセットが…」っていうギャグを続けるわけ。

3人目ぐらいまで「コルセットが…」って言って、4人目はまだその学習が分かってない綾瀬はるかちゃんあたりが、「分からない」って言い出して。「ここは『コルセット』だろ」っていうことを延々とボール回しするんだ。

これね、これだけ聴いてると、「それ、さんまさんがよくやるヤツでしょ」って思うかもしれないけど、同業者から言うと、この中に1人もお笑いがいないってことに関して、やっぱり震撼せざるを得ないってところがあって。

『さんま御殿』は、全体の視聴率が下がっている中で、トークだけで相変わらず10数%の視聴率をとってるわけですから、一般の人も明石家さんまを面白いって思ってるわけじゃん。斜に構え始めると、「明石家さんまのパターンもね…」なんて言いだすじゃん。でも、俺ら同業者になると、またちょっと違うところにくるわけ。

やっかみもあって、15%くらいとってる番組の中で「まあ、あれはな…」ってなんとか収められる番組もあるよ。でも、明石家さんまのあの中での動きっぷりみたいなのは、ちょっと異常。

明石家さんまというスーパープレイヤー

僕が芸能界に入って、明石家さんまと初めて仕事をしてたり、『さんま御殿』に出させてもらった時に、「この人、スゲェな」って思ったのは、別格に明石家さんまって凄い人がいて。

この人は、試合を組み立てる上で、他のメンバーっていうのはヘタクソがいっぱいいるわけ。中で何人か、レベルとしてはJ2とかJ3なんだけど、「ヘディングだけはコイツ、日本代表になってもいいけど、ほかは全然ダメ」とか、「スローインだけ凄いけど、その他に関しては、一般の人間よりダメ」「コーナーキックは完璧なんだけど、立体に見える広告が怖くて近寄れない」とか(笑)そういう人のチームの中でも、あの明石家さんまっていう人は、「アイツの頭の形だったら、このくらいの強さでセンタリングを正確にぶつけると、跳ね返ってゴールになるな」みたいなことができるっていうのが、僕のイメージなの。

だから、「明石家さんまのようになりたい」って思って入ってきてても、そういうレベルの話じゃないぞ、この人っていう。そうなってくると、「俺はどれだけ普通にしていられるか」っていう問題だったりとか。

自分のやりがいみたいなところは、あのさんまさんですら、一人で持ち込んでゴールするのは、できるけど面倒くさかったり、周りを囲まれてしまって、『一旦、外に出そう』って時に、俺はゴールキープできないし、そのままゴールするって技術はないけど、一旦、俺のところに出してくれたら、「2回蹴って、さんまさんに戻すってところは完璧にしよう」って思うわけ。それで、俺のいる価値みたいなのを高めたいし、少しでもさんまジャパンに絡みたいって感じになるわけ。

『きょうは会社休みます。』スペシャルでのさんまさんは、「もはや、あの人以外、球技をやったことのない人でも大丈夫」っていうレベルなの。俺らはプロとして1つでも技術を見せて絡みたいって思ってるのに、バラエティにおいて、なんでもない、ヘタしたら「11人いないと試合できないから、チェス名人をいっぱい集めました」っていうだけでも、この人は点を獲って勝つっていう。

もちろん、俳優さんたちはあたふたしているだけでも価値のあるスターたちだから、棋士で言えば、羽生名人みたいな人がいっぱいいる感じか(笑)羽生名人、球技ヘタそうじゃん(笑)そういう人たちばかりでも、関係ないあの感じとか。

あの人が真ん中にいたら、それ以外の10人に関しては、笹かまでも大丈夫なんじゃない?「笹かまをこの位置に置いておけば、あの笹かまの柔らかさなら、こう弾む」みたいなのを含めてゴールするんじゃないかっていう。

僕の中で、こういうことは大好きなんですけど、一般的に、普通に面白いじゃないですか。ドラマ好きな人からしたら、めったに出てこない、俳優の人たちがいっぱい出てきて、面白い『さんま御殿』で、いつもみたいに盛り上がってる、ってことなんだけど、アレは同業者の人たちがみたらゾっとする感じね。『きょうは会社休みます。』スペシャルの回は凄かったね。

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