TOP伊集院光 深夜の馬鹿力 ≫ 伊集院光、映画『クレヨンしんちゃん 逆襲のロボとーちゃん』を絶賛「子供も大人も楽しめる映画」

伊集院光、映画『クレヨンしんちゃん 逆襲のロボとーちゃん』を絶賛「子供も大人も楽しめる映画」

2014.05.02 (Fri)
2014年04月28日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00 - 27:00)にて、お笑い芸人の伊集院光が、映画『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』を絶賛し、オススメな見方について語っていた。

映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 [DVD]

前の記事:伊集院光、クレヨンしんちゃんの映画を観たくてチケット売り場のカップルにイライラからの続き

映画版クレヨンしんちゃんは、大人向けにシフトした?

伊集院光:クレヨンしんちゃんを観に行ったんだけど、俺のした経験で良かったなって思ったことは…突発的なことがなければ、俺は日曜日の池袋のシネコンで、ましてやゴールデンウィークの最中にクレヨンしんちゃんを映画館で観る、なんてことはないわけです。

だって、俺らは平日の真っ昼間から暇な仕事ですから。なのにも関わらず、まぁファミリーでごった返していて、子供だらけです。子供だらけの会場でクレヨンしんちゃんを観るなんてことは、間違って行ってしまったから、しかも時間がちょうど良かったからって理由以外にないわけです。

僕が、ここ最近のクレヨンしんちゃんにちょっと危惧してたことっていうのがあって。クレヨンしんちゃんの映画版はずっと面白いって思ってきたんだけど、まぁ俺的にもピークというか、キタなって思ったのが、『オトナ帝国の逆襲』のときに、これがまぁ泣ける映画になりましたよ、と。大人が観ても泣ける感じになったっていうムーブメントがありまして。

みんなクレヨンしんちゃんの映画が凄い、凄いってなったんだけど、そこを機に俺がちょっと疑問に思うところっていうのは、「大人は泣けるけどさ」っていう感じ。「むしろ大人向けに作ってるよね?」っていうのが、俺の中でちょっと引っかかるっていう。

大人向けの絵本・アニメの小賢しさ

ずいぶん前に言いましたけど、「子供のために書いてる童話なんだけど、大人が読んでも泣ける、心を打たれる」とか。子供に向けて書いたシンプルさが、色々と濁ってしまっている大人の目や心に刺さるみたいなことは正しいと思うけど、『大人のための絵本』みたいなものは、頭が悪いって思ってしまうんです(笑)それは、ナメられてるって思うんです。「大人のための絵本コーナー」みたいななのが書店にあるじゃん。それはどうなの?って思っちゃうわけ。

そうすると、クレヨンしんちゃんが大人にヒットしたことで…「♪花~びら~の白い~色は…」みたいなヤツに、懐かしいなって心を動かされるのって、大人だからさ。そこが泣けてしまうってことで、何かおかしな方向にいかないか、っていうのが僕の中に凄くあったんです。

それで、ちょっとずつクレヨンしんちゃん離れをしたり、「そうでもない。これは面白い」みたいな。俺が凄い好きなのは、クレヨンしんちゃんの中でたまに出てくる「そうは言っても、幼稚園児って無力だよな」ってところと、しんちゃんのせめぎ合いみたいなものに、凄く心を動かされたりするのね。そこを大事にしてくれって思うんです。大人を泣かせることじゃなくて。

子供も大人も楽しめる映画

今回の『逆襲のロボとーちゃん』が、割りと危惧してたところに結構、入ってくるんだ。大人が泣くなぁって。泣く映画を観たいって思ったら、本当に…『アナと雪の女王』は、良いシーン、綺麗なシーンはあるなって思うけど、泣くところは別にないんで、まぁ泣けます。『逆襲のロボとーちゃん』は。

だけど、これを家で1人でDVDで観てたら、今まで言ってた疑いを一切拭えないで見終わると思ったの。「これは、大人の俺を泣かせにきてるし、大人の俺が泣くよね、これは」って思うだけ。

だけどね、ガキがいっぱいいると、めちゃめちゃウケてるの。俺がウケないところでウケてるの。俺が泣いてるところでグズってもいないし、俺が泣いてるところで、必ずしも泣いてるわけではないんだけどね。子供は多分、アレを泣く映画だと思ってはいないと思うんだ。しんちゃん頑張ってると思うし、しんちゃんのお父さんが頑張ってるとは思うだろうけど。

俺からしてみれば、メインのストーリーがあまりに大人過ぎて、大人にしか向いてないじゃんって思うところが、大して邪魔になってないようなんだ。「しんちゃんがスゲェ」って話をするのに、いくつ他に敵を作るんだって話だけど(笑)、俺は『崖の上のポニョ』を観た時に、誰一人、子供が喜んでなかったのよ。

『崖の上のポニョ』を、結構、子供がいるところで観たんですよ。でも、子供はとにかく「帰ろうよ」って言ってるのよ。俺が観た回は少なくとも。歌はガキ好きだから、歌ってるガキはいるよ。でも、その映画館の中では、『ポニョ』を喜んでないのよ。飽きて「帰りたい」って言ってるガキも多かったし、歌があまりに出てこないから、歌い始めてるガキはいるしって始末なんだけどね。クレヨンしんちゃんは、まぁガキは俺が笑わないところで笑ってたりとか。

いいなって思うのは、お父ちゃんが調子に乗ってしんちゃんを肩車しちゃって、腰をやってしまうようなところを、俺は腰痛持ちだから。あと、年齢も感じてるから、「そうなんだよね」って思っちゃうわけ。ある程度、中年になってくると、「不意に重さ掛かって腰をやっちゃうことってあるよね」って思っちゃうから、それはある意味、悲哀なシーンではあるんだけど、子供は面白くてしょうがないの。お父さんが急に腰が痛くなってるところをゲラゲラ笑ってるその感じが凄く良くて。

俺は子供相手の商売をしてないから、子供がどこで笑ってるとか、どうやったら笑うとか、どういうことが好きだって考えたこともないんだよね。だから、「しんちゃんは、大人向けにはなってるけど、子供が置いていかれてるんじゃないの、これは」って思ってたんだけど、多分、ワケ分からないところは分からないと思うんだけど、あのガキが笑ってる声のボリュームとか、楽しんでる感じとか「ガンバレ、ガンバレ!」ってなっちゃってるあのテンションの上がり方とかを見てると、「あぁ、これちゃんと正しいんじゃん」って思って。俺は俺で泣いてるし。中年男性についてって考えると、凄い泣けちゃう。

テーマの分かりやすい描き方

一番のテーマになってるところが、俺が思うには、『安藤ロイド』(TBS系)と全く同じところがあるの。結構、『安藤ロイド』とかぶってる。でも、『安藤ロイド』よりきちんと描けてるんだ、それが(笑)

『安藤ロイド』が上っ面を撫でただけみたいなところを、ちゃんと描いていたりとかして、そういう意味では、『逆襲のロボとーちゃん』を面倒くさいしチケットとれないかもしれないけど、俺が思うには、このゴールデンウィークに何もやることなくて楽しもうと思ったら、連休の間のジャスコの中にあるような「ガキがくる、鬱陶しい」って思うようなところで観ると、クレヨンしんちゃん自体の大人向けの面白さと、「あ、ガキはここでウケるんだ」ってところが分かるんですよね。

あとね、当たり前な話だけど、『アナと雪の女王』が日本でコケようが何しようがどうでも良いですよ。あんなもん、世界を周ればカネになるんですから。クレヨンしんちゃんは、ハッキリ言って、日本の文化圏を一歩でも出れば、全くウケないです(笑)この作り自体が、今までのもの以上です。この『逆襲のロボとーちゃん』は、この時代の日本でしか全然笑えないし、通じないです(笑)とても一過性で堂々としていて清々しいくらい。自分たちは人気アニメを作ったからここまでやって良いんだっていう感じの作りになってるんで。

良かったら、何のカラミもありませんけど(笑)こんなカラミのない、誰にも褒められないところを褒めるくらいだったら、『フエルサ ブルータ(FUERZA BRUTA)』の宣伝くらい少しは入れろって話ですけど、あっちはどうでも良いです(笑)僕の方にはお金は落ちてきませんので(笑)

でも、俺は本当に思った。もしかしたら、クレヨンしんちゃん好きな人の中に、俺と同じ感想の人がいて欲しいって思ってるんだ。映画の大人向けのクレヨンしんちゃんは凄く面白いんだけど、「ちょっと大人向け」って評判で、軸が傾いてないかなって疑いがあったんですけど違う、と。

ウチは子供居ないから、子供のいっぱいいところで観ると、新鮮だった。「やっぱり、こういうところ子供、笑うんだ」とか。「ここが笑いどころなんだ?」みたいなのが、結構、あったんでね。

【関連記事】
伊集院光が語る、映画『アナと雪の女王』に見る最新のCG技術と映画への応用の難しさ

ジブリ鈴木敏夫が語る「ディズニー映画の子供向けから若い女性向けへ転換」

映画評論家・町山智浩、デヴィ夫人の訴え黙殺に「日本のマスコミは最低だ!」


同一カテゴリー記事


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

フォローしていただくと、更新情報をお知らせします
  • follow us in feedly

タグ : 伊集院光,クレヨンしんちゃん,

トップページへ  |  この記事へのリンク  |  伊集院光 深夜の馬鹿力

本日の注目記事