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伊集院光が語る「漫画『あぶさん』突然終了の謎」

2013.12.24 (Tue)
2013年12月23日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00 - 27:00)にて、水島新司の野球漫画『あぶさん』が突然、終了するという宣言について語っていた。

あぶさん 105
あぶさん 105 (ビッグコミックス)

『あぶさん』のストーリー

伊集院光:『あぶさん』が終わるね。僕が初めて読んだのは、小学校の低学年の頃に行った歯医者で、待合室に『あぶさん』の割りとはじめの頃のヤツがあって。

子供向けの漫画にはルビが振ってあるけど、ビッグコミックオリジナルの漫画だから、ルビが無くて。影浦って字が読めない。読めないから、『この記号は"かげうら"なんだな』って思ってて。

『あぶさん』は40年くらいやってると思うんですけど、良くも悪くも、止めどころを完全に失ってたな、と思うんです。最初の内の『あぶさん』は、まぁ暗い話なんです。当時、今みたいにパ・リーグは人気ありませんから、パ・リーグのしかも南海ホークスって大阪のチームで、弱いチームじゃないけど、阪神タイガースに比べたら、南海ホークスって小さい存在で、あんまり有名じゃないところで。

南海ホークスに、酒飲みの代打がいるって地味な話で。今思うと、小学校低学年の頃から読んでるけど、一話読み切りに出てくる、主人公は景浦安武じゃん。そのストーリーの回のメインみたいなのが、大阪のスナックにワケありのホステスがいて。ブスなホステスがいて(笑)

その子は、他の子にくらべて、全然売れっ子じゃなくて、ブサイクなホステスなんだけど、景浦安武も他のチームの選手にそのスナックに連れてきてもらって、隣にそのブサイクなホステスが座って、「あんたのこと知らないけど、後に凄い選手になるかも知れないから、サインちょうだいよ」って言われて。

景浦安武は、そんな不人気なパ・リーグの、代打でたまに出る人だから、知らないわけよ。サインもほぼしたことないわけ。緊張して書くから、影の字が上手く書けなくて「日京って名前なの?」って言われたりして。それをグジャグジャって書きなおしてサインしてあげたら、そのブサイクなホステスは、別の野球通の客に5,000円で売るようになるんですよ。

スナックに行くと、必ずその子にあたって、サインを書くと何故かジンクスで、ヒットが出るっていう話があって。でも、最終的に『あぶさん』に惚れてしまったその子は、サインを横流ししなかったの。小遣い稼ぎで他の酔っぱらいに売ってたんだけど、売らなかった。それを抱きしめて持って帰った日に、景浦のジンクスが止まる、みたいな(笑)全く小学生向けの要素のない(笑)

大阪の飲み屋街で捨て子を拾った話とか、そんなんだよ。今の『あぶさん』みたいな、明るい話は全くないんだよ(笑)

凄いホームランも打つけど、「アンダースローが苦手」みたいな回があって。打てないときは、全く打てなくて。多分、2割6分で、年間ホームラン3~4本、みたいな。当時の日本記録が6本だから、3~4本でも凄いんだけど、凄いムラがあるバッターで。あぶさんが、「どれくらい体力があるのか」って試してみるんだけど、日本海育ちだから、プールで10 Km泳いでみようって思って泳ぐと、意識朦朧となって、その時にいつも試合中に掛けられる観客の声がどんどん頭の中に蘇ってくるシーンがあって、「飲兵衛バカ野郎!」「やめちまえ!」みたいなヤツと闘いながら、あぶさんは泳ぎ続ける、みたいな(笑)全然、小学生向けじゃないの。

『あぶさん』の連載終了すべきだった時期

伊集院光:DH制も入ってくるんですよ。設定としては、一試合出るだけの集中力もないし、南海の外野の層も厚いしってことで、代打だったんだ。だけど、守備も元々はあまり上手くない設定じゃないと思ったんだけどね。DH制もできたから、なんでずっと代打なんだったのか分からないって時期に、やめどころがあったのかな、と。

その後、南海ホークスが福岡に移転するじゃん。そこもやめどころはあった、と思うんだ。

さらには、ちょっと前に現役を60歳くらいで引退するんだよね。でも、この中で確変入っちゃってるから、三冠王は獲るわ、代打で年間40本くらいホームラン打っちゃったり、4割くらい打っちゃったりしてるから、もうブスなホステスにサインやってるとかってストーリーと離れて、もうファンタジーになっちゃってるから。

完全にやめどころがなくなっちゃったんですよね。現役引退ですら、「ついにさせたよ」って思って。今は二軍助監督みたいな位置に収まってるんだけど、もうやめどころがなくなっちゃって、俺的には、地球なんかもう無いけど、あぶさんは居る感じ(笑)

『あぶさん』が2月までで終わりってなってて。もうビックリしちゃって、ビッグコミックオリジナル買ったんですけど、急なんだよね。全然、腑に落ちないの。急に、「今シーズン、ソフトバンクが4位だった責任をとって、辞めようと思ってます」ってことを、シーズン終了とともに、王さんに言ってました、みたいなストーリーなの。でも、前回とか全然、そうじゃなくて、若手指導とかしてたと思うんだ。

「残るは3打席」って、残り3回で終わりで。「水島新司さんに何かしら起こってるの?」って感じが凄いするんだよね。50になっても現役を辞めなかったわけだから、やめる理由が全然ないんだよね。

『ドカベン』に出演するためか?

伊集院光:『ドカベン』が今、ドリームトーナメント編っていって、「今まで出てきた水島漫画のキャラを全部出す」っていって、やたらめったら、水島漫画に出てたキャラを全部出して、架空の球団が4つくらいあるのかな。山田太郎がいる、スーパースターズと、犬飼たちがいるアイアンロックスと、新潟にできたっていう新しい球団と、京都に出来ましたって球団も含めた、16球団のドリームトーナメントっていうのをやってて。サッカーでいう、天皇杯っぽいヤツ。

「それを書き終わったら、もう俺の漫画人生、終わりでいいよ」って言って描いてるんですけど、大甲子園の時も、それに近いヤツをやってて。『ドカベン』のプロ野球編の時にも、各球団に入ったりしてたんだけど、あぶさんだけは、これに絡んでこないの。だから、こっちに絡む布石なのかなって思って

勘ぐったんだけどね。さすがに同時に連載をやってる間は、そちらの連載には出せないってルールが、たとえばあったとして、水島新司さんにしても破れないルールがあるとして、最後の最後に、あぶさんを出そうと思って、連載終了って措置をとったのかなって。

このドリームトーナメント編に、あぶさんが入ろうと思うと、ソフトバンクホークスに入る。あと、新潟出身だから、新潟出身の新球団に、岩田鉄五郎監督の新球団に、架空の選手として入れるっていう手があると思うんだけど。でも、この新球団はとっとと負けてしまってるんだよね。

ソフトバンクホークスは、勝ってるんだけど、あぶさんは全く出てきてなくて勝ってるんだよね。だから、俺の勘ぐりも違いそうで…なぜあぶさんが終わるのか、全然分からない。

俺の考えた、地球も滅びた後に、エイリアンがやってきてあぶさんを発見し、野球を始めるっていう宇宙編にも続かなそうだしね(笑)

水島新司さんは、色んな漫画のキャラを、俳優として他の漫画に出す、みたいなところがあって。あぶさんを南海ホークスにスカウトしたのが、岩田鉄五郎っていうスカウトなんです。それは『野球狂の詩』に出てくる、岩田鉄五郎とルックスは一緒だけど、俳優が2役やってるのと一緒だから、そこの年齢とかは合わなかったりするんだけどね。

あぶさんが、高校の時の監督が岩田鉄五郎で、高校最後の試合も、高校生なのに飲酒をしてて、酔っぱらってて、酔っぱらってるのに、しかも高校生なのに155 mのホームランを打つ。そのホームランを岩田鉄五郎は忘れられない。それでスカウトとなった第一弾で、「アイツはどうしてるんだろう」って思ってると、「大虎」って飲み屋でベロンベロンに酔っ払ってるあぶさんがいて。

「バット振ってみろ」っていって、そのスイングを見て、南海ホークスに入れるっていう、大虎のカウンターで突っ伏してるところから始まってるから、最後は、突っ伏してるあぶさんと、「別にスカウトなんか来なかった」みたいなオチに繋がったら神だなって思うんだけど(笑)水島新司さんのあぶさんの大事にしてる様子からは、それは無いだろうなって。

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タグ : 伊集院光,水島新司,あぶさん,

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