爆笑問題・太田「土屋アンナの騒動が不思議ではない演劇界」
2013.07.31 (Wed)
2013年07月30日放送の「爆笑問題カーボーイ」にて、土屋アンナの初主演舞台『誓い~奇跡のシンガー~』が中止となった一連の騒動について語られていた。
田中「土屋アンナの件、色々大変みたいですけど。分からないね、どういう話なのか」
太田「土屋アンナは、全然悪くないらしいですよ」
田中「そういう話にも、なってますけどね」
太田「そういう話でしょ?」
田中「まぁ、どっちが悪いかっていうのは分からないじゃないですか」
太田「原作者が言ってるし」
田中「原作者はそう言ってますね」
太田「お前はプロデューサー側なの?」
田中「どっち側でもないから(笑)」
太田「俺は土屋アンナ側だよ?一転だけどね(笑)」
田中「そうそう(笑)」
太田「昨日は、『土屋アンナ、悪いなぁ。あの女、やっぱり』って(笑)」
田中「はい(笑)」
太田「でも、今日の記事を見たら『全然悪くない。悪いのはこっちだったのか』って(笑)」
田中「はっはっはっ(笑)分からないですよ。それがまた一転とか、可能性はありますから」
太田「いやいや、これは原作者が…」
田中「俺も気持ちはそうなってるけど、それを今、ここでどっちが悪いってハッキリ言うわけにはいかないから」
太田「そうかね?」
田中「分からないじゃないですか」
太田「俺は、土屋アンナ、スゲェ良い人だと思って」
田中「スゲェ良い人っていうのも、ちょっと違う気がするけどね(笑)」
太田「だってさ、原作者の人が困ってるのに自分が立ち上がって」
田中「どういう話かっていうと、記事で『今度草月ホールでやるお芝居、土屋アンナさんが急に練習に来なくなってバックレちゃってるから公演が頓挫した』って話なってて…」
太田「ホームページ見たら、相当名指しで言ってたからさ」
田中「うん」
太田「よっぽど腹に据えかねたんだなって思って」
田中「うん」
太田「『土屋アンナ、前々から悪そうな顔してるから』って思ってたんだけど。29歳っていうからビックリしたんだけどさ(笑)」
田中「お芝居の主催者側からすれば、損害賠償だなんだってニュースが昨日あったんだよな」
太田「名指しで」
田中「『これは訴えられるんだ。こんなことするんだ、土屋アンナ』って思ったんですよ」
太田「俺は、土屋アンナ許さんって思ったからね、昨日の時点で」
田中「うん。だけど、そのお芝居の原作者の人がいて」
太田「その前に、事務所が反論してて。事実巨根だっていって」
田中「巨根じゃなくて無根ね」
太田「そしたら、原作者のブログで、『アンナさんは全然悪くありません』って。それを見て、じぇじぇじぇって思って(笑)やっぱり良い子だったんだな、あの子はって」
田中「原作者の人が言うには、『お芝居の許可もしてない。それなのに勝手に話が進んでいってしまっている』と。それを知った土屋アンナさんが、『そうなんですか?そんな認めてもいないお芝居、それは私も勝手にやるわけにはいかないから』って」
太田「自分が矢面に立ってくれたんだよ」
田中「そうだね。それで芝居の稽古に出なくなったんだよね」
太田「うん」
田中「それは、俺らではどっちが正しいって分からないじゃないですか」
太田「プロデューサーよりなのか?」
田中「よりでもねぇよ!」
太田「その感じ」
田中「分からないから、あんまり言えないってことなんだよ。俺も昨日、こんなことやったら、どんだけ非難されるか分からないのかって思ったんだけどね」
太田「みかん(注:土屋アンナのものまね芸人)のためにあるようなニュースだな(笑)」
田中「みかんがやるだろうね(笑)」
太田「だけどね、芝居やってたらこういう騒ぎありましたよ。我々レベルでも」
田中「うん」
太田「全然、小劇場ですよ。僕なんかも共同の劇場があって、そこでオーディション受けて受かったんですよ」
田中「うん」
太田「そのプロデューサーってのが、元・劇団四季って触れ込みで」
田中「元・劇団四季ね」
太田「元・劇団四季って、いかにもアヤシイでしょ?見るからにインチキ臭いんだよ。それで、劇作家がいて、その人は良い人なんだけど、その人が上京劇団なんですよ」
田中「元・劇団四季と元・上京劇団って、全然違うよね(笑)」
太田「合わないよね(笑)その時点でおかしいと思ったんだけどね。そっちは、早稲田出身の、いかにも冴えない芸術家っぽい感じなんですよ」
田中「お芝居好きのね」
太田「不器用だけど、気持ちは分かる、と」
田中「うん」
太田「そのプロデューサーがカネを出して。そいつは、いかにも胡散臭いんだよ。だけど、その劇場を持ってるから、色々言ってくるわけだよ。劇場って言っても、レッスンスタジオみたいなところだけど」
田中「うん」
太田「そこに、せいぜい桟敷にして50人も入れば満杯みたいなところで。そこで1回は出ましたよ、俺も。行ったら『もうダメだな、ここは』って一発で分かるところだったんですけどね」
田中「うん」
太田「オーディションは大々的にやりましたよ。でも、受かったヤツみたら、全員、ド素人みたいな」
田中「まぁね。太田さんが20歳くらいの話でしょ?」
太田「そう。全員年上で。1人は区役所に勤めてるマジメな人で(笑)知ってるだろ?」
田中「はい」
太田「動きがロボットみたいで」
田中「サンダーバードの人形みたいな(笑)」
太田「芝居なんか、出来やしないんですよ」
田中「ええ」
太田「硬いマジメな人でさ。それでヒロイン役が34~35の世田谷の主婦で。暇な主婦が、年甲斐もなくソバージュで化粧が濃い女でさ。10歳くらい年の離れた社長夫人かなんかで。暇持て余して受かっちゃったんだよ」
田中「うん」
太田「これが何もできないんだよ。こいつら2人が主役で。あとはデブのブスの女2人(笑)」
田中「はっはっはっ(笑)」
太田「全員がお前ら芸能に向いてないからってヤツらで。誰ひとり、芝居ができないんだよ」
田中「ふふ(笑)」
太田「俺、言ってたんだから。『お前ら、言っておくけどおかしいぞ、この集まり』って。もう芝居やらせるとヒドイんだから。まぁズブの素人。話にならないんだよ」
田中「ふふ(笑)」
太田「それで、一応、一回はやったんだよ。でも、『俺、1回で抜けるから。俺は本気で芝居やってるし、お前らみたいなカルチャーセンターレベルのことじゃないんだよ。ふざけるな、バカ!』って言って」
田中「ふふ(笑)」
太田「芝居の稽古もサボってたけど、全然、俺の方がうまいんだから」
田中「うん」
太田「そしたら、そこの劇作家の方が、何ヶ月かしてウチに電話掛けてきて。『太田くん、悪いんだけど…プロデューサーと揉めて、キャストが辞めて足らなくなっちゃったんだ』って。『1人新しい子をなんとか入れたから、来てくれないか?』って」
田中「うん」
太田「公演中止の危機だったんですよ。でも、その連中はどうしようもないと思ってたけど、悪い人じゃないし。ただ、プロデューサーだけはいけ好かないし、『アイツの言うこと聞くのイヤだよ』って。でも、それで行ってさ」
田中「うん」
太田「そしたら、案の定、グチャグチャするんですよ。劇団っていうのは。そのうち、劇作家が出てこなくなっちゃって(笑)『プロデューサーとはやってられない』って(笑)」
田中「はっはっはっ(笑)」
太田「ふざけんなって話だよ。でも、俺はもう稽古入っちゃってるわけだよ。そしたら、プロデューサーが演出しだして」
田中「最悪だよね」
太田「俺はなんの言うこと聞かないから。そしたら、若い新しく入れた女の子がいて。それも小太りのちょっと可愛いくらいの、田舎娘なんだよ」
田中「うん」
太田「『お前、本当に女優になろうと思ってんの?言っちゃ悪いけど無理だよ』って(笑)」
田中「色んな女優のパターンがあるからね」
太田「いいんだけどさ。その子と飯食ったら、『私、次の公演で親戚の知り合いに日本テレビの人がいて、その人が見にくるから絶対に成功させたいんです』って言ってんのね」
田中「うん」
太田「そんなの、何の話にもならないだろうって思ってたけど、その子のために付き合ってやろうと思ったの」
田中「うん」
太田「サンダーバードも主婦も、全く変わらないし。…それで、抜き稽古だって言って、その田舎娘が、芝居なんか初めてやるような感じで、全くセリフも入らないし、どうしようもないの」
田中「うん」
太田「抜き稽古だっていって、毎日、深夜まで付き合ってたの。ダメ出し始まると、俺は黙ってタバコ吸ってるんだけどさ」
田中「うん」
太田「そのプロデューサーがネチネチやるわけ。そのうち、『だから君が、家庭かね…』って言い出して。どうやら、その子、複雑な家庭環境だったらしいんだけど、そんな家庭の事情も言い出して」
田中「うん」
太田「それを言っちゃって、その子が泣きだして。面倒くさいことになってさ。俺もそれ、さすがに待て、と。『それをやってたら、いずれ刺されるぞ。そんなダメ出ししちゃ駄目だろ』と」
田中「うん」
太田「20歳くらい年上ですけど、言ったんですよ。『家庭の事情なんか関係ないだろ?人に恨み買うだけだよ』って。そしたら、明くる日稽古に言ったら、そのプロデューサーが警棒を持ってて(笑)」
田中「はっはっはっ(笑)」
太田「通信販売で売ってる警棒を買ってきてて(笑)『刺されるぞ』って言ったのを真に受けて(笑)コイツ、怖いなって思って」
田中「逆に怖いわ」
太田「しょうがないから、その芝居やって。案の定、どうにもならないの。そんな芝居」
田中「うん」
太田「客は一応、入ってたけどね」
田中「主婦仲間を呼んでね。あと、役所の人がきて(笑)」
太田「こいつらに芝居見せてどうすんだってことでな。それで本当に辞めるっていったら、今度は劇作家の方から電話かかってきて。『今回、付きあわせてしまって申し訳なかった。お詫びといってはなんだけど、一本、書いたんだ』って」
田中「うん(笑)」
太田「『いいよ、そんなの』って言ったら、『いや、やってもらわなければ困る』って(笑)」
田中「なんでだよ(笑)」
太田「『なんで?』って訊いたら、『彼らに責任をとる意味で』って。彼らも、プロデューサーにキレて。あの劇場ももう、撤退した、と」
田中「あぁ」
太田「『僕が自腹切って、稽古場借りた。作品を一個書いたから、それを彼らにお詫びの印として、やるんだけど、キャストが足らない』って(笑)じゃあやるな、と(笑)」
田中「うん(笑)」
太田「それがミュージカルで。賢者の贈り物って、O.ヘンリーの短編があるんだけど、それをミュージカル仕立てにして。2人キャストなんですよ。トムとメリーかなんかで」
田中「そんな感じね」
太田「じゃあ、俺要らないじゃんって言ったら、『いや、要るんだ』と。2人キャスト誰だよって訊いたら、そのロボット(サンダーバード)と主婦なんだよ」
田中「はっはっはっ(笑)」
太田「『そいつらでやればいいじゃん』って言ったら、『あと2人要るんだ』って。それが最初から居るデブの2人」
田中「日テレの知り合いが来るって子は?」
太田「結局、辞めちゃったから」
田中「あぁ」
太田「向いてないって。向いてないのは、全員そうなんだけどな。その2人は残ってて。デブの2人のブスが残ってたんだよ」
田中「ふふ(笑)」
太田「同じ背格好なんだよ(笑)その子たちにもやらせたい、と。その子たちの相手が居ないってことで。『俺が?』って(笑)」
田中「はっはっはっ(笑)」
太田「俺がどっちも相手すんの?って。『君しかいない』って言われて。1回はロボットと主婦で、2日目はデブ2人の2公演。その相手で、俺が2公演やることになって」
田中「1番大変だ(笑)」
太田「冗談じゃないよ。しかもミュージカル。やりたくないから、俺って。でも、俺も人が良いから断れなくて」
田中「俺も客として見に行ったけど、よくやったなぁって」
太田「突然歌になるからね。『♪ミシガン~僕らが生まれた街~』って。俺らがミシガンで生まれたワケねぇだろって(笑)」
田中「まぁね」
太田「途中で、抱っこしてぐるぐる回らなければならないんだけど、全然持ち上がらなくて(笑)タップとかもやってて」
田中「色々やってたね」
太田「ひどい目に遭いましたよ。でも、劇団ってのはそんなのはザラでしたよ」
田中「土屋アンナさんでもね」
太田「あと、1個だけ芝居やって。それは面白い脚本で。その人、才能あるけど、売れることはないと思うけれど。結構、面白い本を書くんです」
田中「うん」
太田「それは、明治の文豪のドラマで。樋口一葉と石川啄木と、半井桃水っていう樋口一葉の師匠と、夏目漱石とかが出てきて、愛憎劇みたいなのをやるんだけど」
田中「うん」
太田「僕は半井桃水の役で。与謝野晶子とか、平塚らいてうとかも出てくるんですよ。面白いんですよ。でも、それも主役はロボットで」
田中「うん。見に行きましたよ」
太田「石川啄木をロボットがやって、樋口一葉を主婦がやって。その公演は、ツギオっていう今の橋下市長の秘書をやってる奴が夏目漱石かなんかやってて。あれは面白かったな」
田中「そうだね」
太田「これで完全に縁を切るってことで。そこからは爆笑問題を組んだんだけど」
田中「うん(笑)そこからか」
太田「お笑いにいっちゃったんで、それからは知らないけど。そこから、何回かお知らせが来て。1番驚いたのが、そのロボットと主婦が結婚したって(笑)」
田中「はっはっはっ(笑)」
太田「えぇ?!あの人、離婚したの?って(笑)」
田中「はっはっはっ(笑)」
太田「アレは1番驚いたな」
田中「俺もミュージカル見てるしね。ビックリしたね(笑)」
太田「ビックリしたよ。離婚したんだぜ?よっぽど惹かれ合ったんだろうな」
田中「凄いね」
太田「ロボットもマジメで良い人なんだけどね。ただ、不器用で芝居なんかできるタイプじゃないんだけど。スターライトカンパニーって劇団の名前を、その人がつけたんだけどね。なんてセンスが無い(笑)当時、光GENJIがスゴイ流行ってた時代で(笑)スターライトエクスプレスが流行ってて、その時代につける?」
田中「そうだね(笑)」
太田「『スターライトカンパニーはどうだろう?』って言われて。誰も文句言えない(笑)…稽古してて、年末でクリスマスが近くて。ミュージカルで踊りの練習をしてて、ミュージカルに関係ない、BGMでクリスマスソングを流したりなんかしたりすると、それに合わせてステップ踏んだりしてんだよね、そいつが。それが本当に『出た!二足歩行のロボット、新製品』みたいな(笑)」
田中「アシモみたいな(笑)」
太田「何も言えずに見てたけどね(笑)」
田中「ふふ(笑)…いやぁ、あの結婚にはビックリしたね(笑)」
太田「そんな冒険する人じゃないんだよ。上品な奥様で。よっぽど好きになっちゃったんだなって」
田中「共演したりすると、そういうことになるんだなぁって」
太田「そうなんですよ。驚きました。だから、芝居の世界は色々ありますよ。よくある話ですよ。こんな話、信じられないって思うかもしれませんけど、お芝居の世界、演劇界では、意外と多いですよ。公演が直前でできなくなる、とかも」
田中「あるね」
太田「結構、多いですよ」
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太田「土屋アンナは、全然悪くないらしいですよ」
田中「そういう話にも、なってますけどね」
太田「そういう話でしょ?」
田中「まぁ、どっちが悪いかっていうのは分からないじゃないですか」
太田「原作者が言ってるし」
田中「原作者はそう言ってますね」
太田「お前はプロデューサー側なの?」
田中「どっち側でもないから(笑)」
太田「俺は土屋アンナ側だよ?一転だけどね(笑)」
田中「そうそう(笑)」
太田「昨日は、『土屋アンナ、悪いなぁ。あの女、やっぱり』って(笑)」
田中「はい(笑)」
太田「でも、今日の記事を見たら『全然悪くない。悪いのはこっちだったのか』って(笑)」
田中「はっはっはっ(笑)分からないですよ。それがまた一転とか、可能性はありますから」
太田「いやいや、これは原作者が…」
田中「俺も気持ちはそうなってるけど、それを今、ここでどっちが悪いってハッキリ言うわけにはいかないから」
太田「そうかね?」
田中「分からないじゃないですか」
太田「俺は、土屋アンナ、スゲェ良い人だと思って」
田中「スゲェ良い人っていうのも、ちょっと違う気がするけどね(笑)」
太田「だってさ、原作者の人が困ってるのに自分が立ち上がって」
田中「どういう話かっていうと、記事で『今度草月ホールでやるお芝居、土屋アンナさんが急に練習に来なくなってバックレちゃってるから公演が頓挫した』って話なってて…」
太田「ホームページ見たら、相当名指しで言ってたからさ」
田中「うん」
太田「よっぽど腹に据えかねたんだなって思って」
田中「うん」
太田「『土屋アンナ、前々から悪そうな顔してるから』って思ってたんだけど。29歳っていうからビックリしたんだけどさ(笑)」
田中「お芝居の主催者側からすれば、損害賠償だなんだってニュースが昨日あったんだよな」
太田「名指しで」
田中「『これは訴えられるんだ。こんなことするんだ、土屋アンナ』って思ったんですよ」
太田「俺は、土屋アンナ許さんって思ったからね、昨日の時点で」
田中「うん。だけど、そのお芝居の原作者の人がいて」
太田「その前に、事務所が反論してて。事実巨根だっていって」
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太田「そしたら、原作者のブログで、『アンナさんは全然悪くありません』って。それを見て、じぇじぇじぇって思って(笑)やっぱり良い子だったんだな、あの子はって」
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太田「自分が矢面に立ってくれたんだよ」
田中「そうだね。それで芝居の稽古に出なくなったんだよね」
太田「うん」
田中「それは、俺らではどっちが正しいって分からないじゃないですか」
太田「プロデューサーよりなのか?」
田中「よりでもねぇよ!」
太田「その感じ」
田中「分からないから、あんまり言えないってことなんだよ。俺も昨日、こんなことやったら、どんだけ非難されるか分からないのかって思ったんだけどね」
太田「みかん(注:土屋アンナのものまね芸人)のためにあるようなニュースだな(笑)」
田中「みかんがやるだろうね(笑)」
太田「だけどね、芝居やってたらこういう騒ぎありましたよ。我々レベルでも」
田中「うん」
太田「全然、小劇場ですよ。僕なんかも共同の劇場があって、そこでオーディション受けて受かったんですよ」
田中「うん」
太田「そのプロデューサーってのが、元・劇団四季って触れ込みで」
田中「元・劇団四季ね」
太田「元・劇団四季って、いかにもアヤシイでしょ?見るからにインチキ臭いんだよ。それで、劇作家がいて、その人は良い人なんだけど、その人が上京劇団なんですよ」
田中「元・劇団四季と元・上京劇団って、全然違うよね(笑)」
太田「合わないよね(笑)その時点でおかしいと思ったんだけどね。そっちは、早稲田出身の、いかにも冴えない芸術家っぽい感じなんですよ」
田中「お芝居好きのね」
太田「不器用だけど、気持ちは分かる、と」
田中「うん」
太田「そのプロデューサーがカネを出して。そいつは、いかにも胡散臭いんだよ。だけど、その劇場を持ってるから、色々言ってくるわけだよ。劇場って言っても、レッスンスタジオみたいなところだけど」
田中「うん」
太田「そこに、せいぜい桟敷にして50人も入れば満杯みたいなところで。そこで1回は出ましたよ、俺も。行ったら『もうダメだな、ここは』って一発で分かるところだったんですけどね」
田中「うん」
太田「オーディションは大々的にやりましたよ。でも、受かったヤツみたら、全員、ド素人みたいな」
田中「まぁね。太田さんが20歳くらいの話でしょ?」
太田「そう。全員年上で。1人は区役所に勤めてるマジメな人で(笑)知ってるだろ?」
田中「はい」
太田「動きがロボットみたいで」
田中「サンダーバードの人形みたいな(笑)」
太田「芝居なんか、出来やしないんですよ」
田中「ええ」
太田「硬いマジメな人でさ。それでヒロイン役が34~35の世田谷の主婦で。暇な主婦が、年甲斐もなくソバージュで化粧が濃い女でさ。10歳くらい年の離れた社長夫人かなんかで。暇持て余して受かっちゃったんだよ」
田中「うん」
太田「これが何もできないんだよ。こいつら2人が主役で。あとはデブのブスの女2人(笑)」
田中「はっはっはっ(笑)」
太田「全員がお前ら芸能に向いてないからってヤツらで。誰ひとり、芝居ができないんだよ」
田中「ふふ(笑)」
太田「俺、言ってたんだから。『お前ら、言っておくけどおかしいぞ、この集まり』って。もう芝居やらせるとヒドイんだから。まぁズブの素人。話にならないんだよ」
田中「ふふ(笑)」
太田「それで、一応、一回はやったんだよ。でも、『俺、1回で抜けるから。俺は本気で芝居やってるし、お前らみたいなカルチャーセンターレベルのことじゃないんだよ。ふざけるな、バカ!』って言って」
田中「ふふ(笑)」
太田「芝居の稽古もサボってたけど、全然、俺の方がうまいんだから」
田中「うん」
太田「そしたら、そこの劇作家の方が、何ヶ月かしてウチに電話掛けてきて。『太田くん、悪いんだけど…プロデューサーと揉めて、キャストが辞めて足らなくなっちゃったんだ』って。『1人新しい子をなんとか入れたから、来てくれないか?』って」
田中「うん」
太田「公演中止の危機だったんですよ。でも、その連中はどうしようもないと思ってたけど、悪い人じゃないし。ただ、プロデューサーだけはいけ好かないし、『アイツの言うこと聞くのイヤだよ』って。でも、それで行ってさ」
田中「うん」
太田「そしたら、案の定、グチャグチャするんですよ。劇団っていうのは。そのうち、劇作家が出てこなくなっちゃって(笑)『プロデューサーとはやってられない』って(笑)」
田中「はっはっはっ(笑)」
太田「ふざけんなって話だよ。でも、俺はもう稽古入っちゃってるわけだよ。そしたら、プロデューサーが演出しだして」
田中「最悪だよね」
太田「俺はなんの言うこと聞かないから。そしたら、若い新しく入れた女の子がいて。それも小太りのちょっと可愛いくらいの、田舎娘なんだよ」
田中「うん」
太田「『お前、本当に女優になろうと思ってんの?言っちゃ悪いけど無理だよ』って(笑)」
田中「色んな女優のパターンがあるからね」
太田「いいんだけどさ。その子と飯食ったら、『私、次の公演で親戚の知り合いに日本テレビの人がいて、その人が見にくるから絶対に成功させたいんです』って言ってんのね」
田中「うん」
太田「そんなの、何の話にもならないだろうって思ってたけど、その子のために付き合ってやろうと思ったの」
田中「うん」
太田「サンダーバードも主婦も、全く変わらないし。…それで、抜き稽古だって言って、その田舎娘が、芝居なんか初めてやるような感じで、全くセリフも入らないし、どうしようもないの」
田中「うん」
太田「抜き稽古だっていって、毎日、深夜まで付き合ってたの。ダメ出し始まると、俺は黙ってタバコ吸ってるんだけどさ」
田中「うん」
太田「そのプロデューサーがネチネチやるわけ。そのうち、『だから君が、家庭かね…』って言い出して。どうやら、その子、複雑な家庭環境だったらしいんだけど、そんな家庭の事情も言い出して」
田中「うん」
太田「それを言っちゃって、その子が泣きだして。面倒くさいことになってさ。俺もそれ、さすがに待て、と。『それをやってたら、いずれ刺されるぞ。そんなダメ出ししちゃ駄目だろ』と」
田中「うん」
太田「20歳くらい年上ですけど、言ったんですよ。『家庭の事情なんか関係ないだろ?人に恨み買うだけだよ』って。そしたら、明くる日稽古に言ったら、そのプロデューサーが警棒を持ってて(笑)」
田中「はっはっはっ(笑)」
太田「通信販売で売ってる警棒を買ってきてて(笑)『刺されるぞ』って言ったのを真に受けて(笑)コイツ、怖いなって思って」
田中「逆に怖いわ」
太田「しょうがないから、その芝居やって。案の定、どうにもならないの。そんな芝居」
田中「うん」
太田「客は一応、入ってたけどね」
田中「主婦仲間を呼んでね。あと、役所の人がきて(笑)」
太田「こいつらに芝居見せてどうすんだってことでな。それで本当に辞めるっていったら、今度は劇作家の方から電話かかってきて。『今回、付きあわせてしまって申し訳なかった。お詫びといってはなんだけど、一本、書いたんだ』って」
田中「うん(笑)」
太田「『いいよ、そんなの』って言ったら、『いや、やってもらわなければ困る』って(笑)」
田中「なんでだよ(笑)」
太田「『なんで?』って訊いたら、『彼らに責任をとる意味で』って。彼らも、プロデューサーにキレて。あの劇場ももう、撤退した、と」
田中「あぁ」
太田「『僕が自腹切って、稽古場借りた。作品を一個書いたから、それを彼らにお詫びの印として、やるんだけど、キャストが足らない』って(笑)じゃあやるな、と(笑)」
田中「うん(笑)」
太田「それがミュージカルで。賢者の贈り物って、O.ヘンリーの短編があるんだけど、それをミュージカル仕立てにして。2人キャストなんですよ。トムとメリーかなんかで」
田中「そんな感じね」
太田「じゃあ、俺要らないじゃんって言ったら、『いや、要るんだ』と。2人キャスト誰だよって訊いたら、そのロボット(サンダーバード)と主婦なんだよ」
田中「はっはっはっ(笑)」
太田「『そいつらでやればいいじゃん』って言ったら、『あと2人要るんだ』って。それが最初から居るデブの2人」
田中「日テレの知り合いが来るって子は?」
太田「結局、辞めちゃったから」
田中「あぁ」
太田「向いてないって。向いてないのは、全員そうなんだけどな。その2人は残ってて。デブの2人のブスが残ってたんだよ」
田中「ふふ(笑)」
太田「同じ背格好なんだよ(笑)その子たちにもやらせたい、と。その子たちの相手が居ないってことで。『俺が?』って(笑)」
田中「はっはっはっ(笑)」
太田「俺がどっちも相手すんの?って。『君しかいない』って言われて。1回はロボットと主婦で、2日目はデブ2人の2公演。その相手で、俺が2公演やることになって」
田中「1番大変だ(笑)」
太田「冗談じゃないよ。しかもミュージカル。やりたくないから、俺って。でも、俺も人が良いから断れなくて」
田中「俺も客として見に行ったけど、よくやったなぁって」
太田「突然歌になるからね。『♪ミシガン~僕らが生まれた街~』って。俺らがミシガンで生まれたワケねぇだろって(笑)」
田中「まぁね」
太田「途中で、抱っこしてぐるぐる回らなければならないんだけど、全然持ち上がらなくて(笑)タップとかもやってて」
田中「色々やってたね」
太田「ひどい目に遭いましたよ。でも、劇団ってのはそんなのはザラでしたよ」
田中「土屋アンナさんでもね」
太田「あと、1個だけ芝居やって。それは面白い脚本で。その人、才能あるけど、売れることはないと思うけれど。結構、面白い本を書くんです」
田中「うん」
太田「それは、明治の文豪のドラマで。樋口一葉と石川啄木と、半井桃水っていう樋口一葉の師匠と、夏目漱石とかが出てきて、愛憎劇みたいなのをやるんだけど」
田中「うん」
太田「僕は半井桃水の役で。与謝野晶子とか、平塚らいてうとかも出てくるんですよ。面白いんですよ。でも、それも主役はロボットで」
田中「うん。見に行きましたよ」
太田「石川啄木をロボットがやって、樋口一葉を主婦がやって。その公演は、ツギオっていう今の橋下市長の秘書をやってる奴が夏目漱石かなんかやってて。あれは面白かったな」
田中「そうだね」
太田「これで完全に縁を切るってことで。そこからは爆笑問題を組んだんだけど」
田中「うん(笑)そこからか」
太田「お笑いにいっちゃったんで、それからは知らないけど。そこから、何回かお知らせが来て。1番驚いたのが、そのロボットと主婦が結婚したって(笑)」
田中「はっはっはっ(笑)」
太田「えぇ?!あの人、離婚したの?って(笑)」
田中「はっはっはっ(笑)」
太田「アレは1番驚いたな」
田中「俺もミュージカル見てるしね。ビックリしたね(笑)」
太田「ビックリしたよ。離婚したんだぜ?よっぽど惹かれ合ったんだろうな」
田中「凄いね」
太田「ロボットもマジメで良い人なんだけどね。ただ、不器用で芝居なんかできるタイプじゃないんだけど。スターライトカンパニーって劇団の名前を、その人がつけたんだけどね。なんてセンスが無い(笑)当時、光GENJIがスゴイ流行ってた時代で(笑)スターライトエクスプレスが流行ってて、その時代につける?」
田中「そうだね(笑)」
太田「『スターライトカンパニーはどうだろう?』って言われて。誰も文句言えない(笑)…稽古してて、年末でクリスマスが近くて。ミュージカルで踊りの練習をしてて、ミュージカルに関係ない、BGMでクリスマスソングを流したりなんかしたりすると、それに合わせてステップ踏んだりしてんだよね、そいつが。それが本当に『出た!二足歩行のロボット、新製品』みたいな(笑)」
田中「アシモみたいな(笑)」
太田「何も言えずに見てたけどね(笑)」
田中「ふふ(笑)…いやぁ、あの結婚にはビックリしたね(笑)」
太田「そんな冒険する人じゃないんだよ。上品な奥様で。よっぽど好きになっちゃったんだなって」
田中「共演したりすると、そういうことになるんだなぁって」
太田「そうなんですよ。驚きました。だから、芝居の世界は色々ありますよ。よくある話ですよ。こんな話、信じられないって思うかもしれませんけど、お芝居の世界、演劇界では、意外と多いですよ。公演が直前でできなくなる、とかも」
田中「あるね」
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