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是枝裕和、『万引き家族』のツカミとなる冒頭の食事シーンの意図を解説「下品で楽しいのを狙いました」

2018.06.07 (Thu)
2018年6月6日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光とらじおと』(毎週月-木 8:30-11:00)にて、映画監督・是枝裕和が、映画『万引き家族』のツカミとなる冒頭の食事シーンで、どのような意図を持って撮ったのかについて語っていた。



伊集院光:「演出ってなんだ?」って話になってきますね。

是枝裕和:演出は、本当は見えない方が。演出は演出ですから、前面に出ない方が。「とにかく役者が凄かった」っていうのだけ残るのが、一番良い演出だと思うんですけど。

伊集院光:うわぁ、絶対俺、そうならないわ。「俺を褒めて欲しい」って。自分が監督だったら。

是枝裕和:ふふ(笑)

伊集院光:それで凄い聞きたいのは、「どこまで台本に書いてるの?」ってことで。安藤サクラさん、演技、上手いって知ってたけど、「こんな上手いの?」ってなったんですけど。

是枝裕和:はい。

伊集院光:みんなでご飯を食べるところの、楽しそうさと品のなさ。これが僕の中ですべてだったんです。

是枝裕和:ふふ(笑)

伊集院光:この映画に、ガンッと入ってくときの。この家族でご飯食ってる時に、品がない。だけど楽しそうって時に、わかりやすいので言うと、持ってる箸で「ちょっと、そっち」って、箸で指すなよってあるじゃないですか。

是枝裕和:はい。

伊集院光:そのシーンを見たときに、そのリズム感とか、楽しそうなざっくばらんな感じとかが、下品で楽しい。

是枝裕和:はい、そうですね。

伊集院光:合ってる?俺。

是枝裕和:合ってます、合ってます。下品で楽しいのを狙いました。

伊集院光:あそこに、僕、ガンッて入ったんです。

是枝裕和:よかったです、あそこつかみのところなので。

伊集院光:あれは、ト書きに…

是枝裕和:どこまでやってるか…

伊集院光:それか、安藤さんが役作りの中でこうだって思ってるのか。

是枝裕和:あれは要するに、家族団らんだったら、同じテーブルをみんなで囲むんですけど。

伊集院光:はい。

是枝裕和:あのシーンは、全員がバラバラのことをしてるんですね。

伊集院光:はい。

是枝裕和:で、ついでに食べてるっていう。

伊集院光:分かります。ついでに食べてることの、お作法から言えば下品さったらないじゃないですか。

是枝裕和:そうですね、バラバラで。さくらさんは菜箸で食べてますし、ばあちゃん爪切ってますし。

伊集院光:そう、菜箸で食ってんだよ。

是枝裕和:ふふ(笑)それぞれが、全然違う作法でいるんだけど、会話は飛び交うっていう。その辺の統一感のなさっていうのが、下品さに繋がっていくように。

伊集院光:それが今言ってたことに、凄いヒントがあったのが、そうなんです。言われてみれば、菜箸で食ってるんですよ。

是枝裕和:はい。

伊集院光:ってことは、これはアドリブで安藤さんができることじゃないじゃないですか。そこに菜箸があるんだから。

是枝裕和:はい。

伊集院光:菜箸で食べちゃうっていう品のなさ、それをやったら親に俺たちは怒られる。僕みたいな高貴な家では、絶対ありえない(笑)

是枝裕和:はっはっはっ(笑)

伊集院光:ってことは、それは台本にあるなり、ちゃんと道具を持ってくる人たちが、きちんと持ってきてるってことだから、アドリブではなくて、あそこはあるわけじゃないですか。

是枝裕和:ありますね。

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