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伊集院光が語る「立川談志師匠の訃報に思うこと」

2011.11.29 (Tue)
2011年11月28日放送の「伊集院光 深夜の馬鹿力」にて、11月21日に声門癌(喉頭癌)で亡くなった立川談志の訃報について語っていた。

伊集院光「今週気付いたこと…というか、肝に銘じて置かなければいけないこと。談志師匠が亡くなる前から、俺は調子が悪い(笑)これを肝に銘じないと、おかしいことになるんです。談志師匠が亡くなる前から、もっと言えば大震災の前から、調子の良い日なんかないんです」

「そういう大きなことがあると、俺の得意技は、そのせいにして逃げるっていう(笑)蟻ん子と神様くらい差がある人が死んだって…誤解に恐れずに言いますけど、俺の人生にとは関係がないはずです。俺のテンションとも関係がないはずなんです」

「けど、憧れてたり尊敬してた人が亡くなったんだから、俺も楽しいことを考えつかなくなるよな、テンション下がるよな、とか、そういう後付けのヤツで、今まで下がってたテンションみたいなのまで乗っけて、『俺って、人っぽい。俺って、すごいセンチメンタル』みたいな。『俺って、繊細で傷つきやすい』みたいなね」

「『神様・談志のことが分かってる』みたいにしていくのが、一番ダメだっていうのを、そういう風にしてることなんて、世の中の頭の良い人は見抜いてるからね、っていうことをこの番組で談志師匠に指摘されてたはずだから」

「落語なんか面白くないと思ったし、落語なんかもう辞めたいと思ったし、落語が自分の手に余るし、自分には才能がないことを全部分かってたのに、全部押し込めて我慢してたのを、『談志師匠の落語を聞いて自身が無くなった』みたいなことに上手く乗っけて、落語を辞めた、みたいなのをまんまと『そうだろ?』って言われたのが、立川談志の言葉なわけだから。そこをね、勘違いすると、変なことにスゴイなるんですよね」

「だから、むしろ俺は談志師匠が亡くなったことで、明るくなってやろう、くらいのことを思ってますよ。その考え方でいくと、お悔やみの言葉も、何、お悔やみの言葉とか。…お悔やみの言葉は、たけしさんとか、三枝師匠とか、太田さんとか近い人が言えばいいことですよ」

「迷惑掛かってるのはこっちだからね。もう、生で落語聞けなくなったりするのは。だから、談志師匠が亡くなったお悔やみの言葉は、俺に言えよって(笑)『伊集院さん、生で談志が聞けなくなって可哀想ですね』っていうことですよ。もっと行けば良かったって悔やむのは、こっちのことですよ。談志師匠を悔やむってことじゃないですよね。『もっと聞けば良かった、もう聞けないんだ』ってことですよね」

さらに、以下のように語っていた。

「そこから思うと、10年~15年か経って、『俺は立川談志を生で聞いた』って言えるっていう、レア度が上がった、ってことですよ。色んな自分の好きなものの世界で、ガンダム大好き、みたいな子供も、青年も、どんどん増えてるじゃないですか」

「そうすると、記憶力や熱意は、持続できないこともあるから、俺なんかもうファーストガンダムのブームの時に、ガンダムのことをいっぱい知って、同級生でガンダム好きな子の中では、ガンダムのモビルスーツが全部言えたりとか、設定ではあったけど、本編には出てこなかったアッグ・ガイとか、ああいうのを知ってるみたいなのがトップじゃないですか」

「でも、その後のもっとガンダムと付き合う若い子とかが出てくるじゃないですか。今のガンダムを網羅できないし、網羅しようって熱意もないから、ガンダムファン度合い、現役のガンダム好きな人と話をすると、『伊集院なんか、ガンダムよく知らない』って話になるじゃないですか。そう言うときに、オッサンとかが最後の砦に出してくるのが、『最初のオンエアを生で見た』っていう、これはウルトラマンでもそうだし、野球でも川上哲治を生で見たっていう」

「背番号クイズとか弱いジジィでも、沢村栄治を生で見たっていうヤツに、負けるじゃないですか。負けるっていうか、負けないまでも一目置くじゃないですか。今の背番号1の選手を全部言えますってよりも、やっぱりジジィの『沢村とスタルフィンがいて、俺が…』みたいなのがあるとね。それでいうと、『立川談志を生で見たよ』って方が、情熱大陸やなんかで『面白いから観てみよう』っていう人よりも、良いとこにいれたりとかね」

「もっと言えば、『立川談志、そんなに面白くなかった』って人もいるじゃん。そういう人に対しても、『ああ、良い回を観なかったんだ』っていう、こっちは良い回も悪い回もあって、当たり外れがあったっていうことは認めるんで、スゴイ良い印象があるのは、良い回を観たからで、『すごくなかったよ』っていう人を『可哀想にね』っていう位置で見れるっていうね」

「パスカードを最後の方で貰えてるっていうね。最後の方に居て、スタンプ押してもらってから、『今日のスープこれで終わりです』ってことになったんで、あえて良かったなってことにしようかな、と」

「あとは、近いお弟子さんとか、戦友である人たちとか、そう言う人たちほどじゃないしね。俺は、ただ、好きだったっていうか、スゲェなって思ってただけだから。あと、自分の師匠がスゲェっていうものにふれあえる感動の方がデカイから。そのくらいのものにしておかないとね」

「そうじゃないと、『うわぁ、スゴイ惜しい人を亡くして、こうすれば良かった、こういうことを訊けば良かった』って言い出すと、そのせいにしてね、冷蔵庫のハムが腐ってたのとか、ネギが液化してるのとか、部屋が汚いのとか、この間の誕生日にプロデューサーの池田からもらった手袋をもう無くしたこととかね(笑)そういうのまで乗っけちゃうから」

「神様の遺体に、燃えるゴミを一緒に入れて捨てるようなマネになっちゃうから。だから、俺はどうでも良し。あえて、どうでも良し。もっといえば、良かったって思えるようにしますよ、もうじゃあ!今度生まれてくる人たちよりも、立川談志の面白いスゴイ落語を生で見ましたから、ありがとうございます!みたいな」

「曲!ECDでRest In Peace

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