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伊集院光が語る「兄貴からのネタメール」

2011.06.22 (Wed)
2011年06月20日放送の「伊集院光 深夜の馬鹿力」にて、実の兄とラジオをめぐる思い出話を語っていた。

伊集院「最近さ、イジろうかどうかスッゲェ迷ってたんだけど、あるよね『イジったら最後、責任とれるの?』みたいな。午前中のポコチンですよ。もう、イジったら最後、責任とるまでイジれるんでしょうね、それってことで(笑)」

「僕の中でも相当葛藤ありましたよ。イジって後悔することの方が多いんですから。先週も、エンディングでAKBの話をして、しなきゃよかったって思ってんだから、こっちは。ねぇ?」

「イジって後悔するのは分かってるんだけど、何ヶ月くらい前からかな。もの凄いメールをいただいていて。本当にありがとうございます。相当量いただいているわけですよ。もちろん、放送中もCM中も見たり、曲の間とかも見たりしてます。それで、番組終わった後も吟味してPodcastに使う質問とかにしたりするんですけど」

「その中に、おそらくもう47歳ですよ。ウチの兄貴のメールが入ってるんですよ。たまに(笑)たまに入ってて。しかも、兄としてじゃないヤツ。1リスナーとして書いているヤツがあって、ノベルティ希望のヤツ。それはありがたいんですけどね」

「僕はね、正直に言いますけど、全てのことは兄貴のお陰で知りました。ラジオも兄貴のお陰で、兄貴がラジオを聴いているのを見てね。最初は、おじいちゃんのお古のラジオなワケ。子供がみんな寝てる部屋でさ、兄貴が一人でクッククック笑ってるワケよ。布団被りながら」

「『うわぁ、気持ち悪ぃ。アレだけど、ついにアレだな』って思って(笑)アレな人だけどもって思ってたら、どうやらなんか兄貴が変な機械からチューブについてて、それが耳に突っ込んであるから、なんか脳にブチョブチョかけてるヤツだなって思ってたわけですよ。ラジオってものを知らないから」

「その汁が出るたびに『ハッハッハ』ってなるワケ。それで、姉貴とか怖かったから、文句言われるのイヤだから、笑うと怒られるから、笑わないようにしてるけど、笑っちゃう、みたいな。それで、兄貴がおじいちゃんからもらったものだから、兄貴に知られないようにしてね」

「よく言う兄弟関係と違うのは、ウチの兄貴はスゴイ線の細い人で、静かで穏やかな人だから、それを触ると怒られる、みたいな関係じゃないの。兄貴が大事な物で、壊しちゃまずいな、とは思うけど」

「兄貴がいない時に、同じ汁を入れるなら、肛門の方が良いだろうって思って、イヤホンを肛門の中に入れて(笑)笑うより気持ちいい方がって思うんだけど、何にも出てこないと思って。肛門の中から『高嶋秀武の…』って聞こえるだけだから。『大入りダイヤルまだ宵の口』みたいなのが聞こえるだけだから。『中島みゆきのオールナイトニッポン』とかが俺の肛門を通して聞こえるだけだから、全然だなって思ったんだけどね。どうやら、それがラジオだって分かって」

「最初は、ジャックが1つしかないラジオだったから、アニキはイヤホンで聴く習慣があるから、イヤホンで聴きたいから、イヤホンを甘挿しにするとスピーカーからも音が出るから、そういう状態で俺も聞いてたワケ。今考えると、2人でスピーカーで聴けば良いと思うんだけどね。良い感じの甘挿しじゃないと、音漏れしないから、みたいので聴いて。その後、小遣いでイヤホンの穴に挿して、2つ穴になるヤツを買ってね。松下幸之助が発明したヤツが出て。もう1つイヤホンで聴いて。あの頃のイヤホンって、変に肌色だったんだよね。肛門に入れちゃうよ(笑)」

「そういうのでスタートですよ。2股でラジオを聴いて。アニキが、その後にBCLブームっていって、海外の短波放送をキャッチして。スカイセンサー何とかってヤツのラジオで聴いてたんですよ。今じゃ考えられない、小遣いを貯めて、良いラジオを買うブームなんですよ。色んな雑誌の1番良い広告のところに、ラジオが載ってて。今考えると、『軍か!お前は』みたいなスッゴイ微調整できるダイアルのラジオみたいなのを買ってて」

「スカイセンサーのシリーズの1番安いヤツでも、自分のラジオが欲しいわけですよ。もはや、兄弟のラジオになっちゃったから。オジイちゃんにもらったラジオが、兄弟のラジオになっちゃってるから。それで、アニキがついに小遣いを貯めて買うんだよね」

「それで、買った後にオジイちゃんのラジオが、俺のラジオになるわけじゃないですか。俺がハマってたのは、『欽ちゃんのドンとやってみよう』で、ラジオの欽ドンが好きだったんだけど、その欽ドンっていうのは、『高嶋ヒゲ武の大入りダイヤルまだ宵の口』っていうワイド番組の1コーナーとかで入ってて。箱番組で、今で言うところの優香ちゃんが、ハゲヅラを被って、良い子悪い子普通の子とかをやってるって思ってくれると良いんですけど(笑)優香ちゃんが、変に冷たく斎藤静六にあたってるって思ってくれれば、まぁ良いと思うんですけどね」

「アニキがスゴイことを教えてくれるって思ったのは、今でこそ、この業界にいるからその謎は解けましたけどね。欽ドンは、スゴイ数のネットをしてて。欽ドンでは、ネタハガキを読んで、その日に一番面白かった人に欽ドン賞っていうのをあげてて。それをウチのアニキが、欽ドン始まる前に、『今日の欽ドン賞は、こういうネタだよ』みたいなのを言うの。それで、聴いてると当たるワケ。なんだ、これって思って。『ウチのアニキ、アレでああなってるけど、アレなんじゃねぇの?』みたいになってるわけ」

「スカイセンサーを使うと、遠くの局、ネット局の中に、東京は9時50分から始まってるけど、広島だと9時40分から始まったりする局があるの。もしくは、ナイター中継をやってて、やってるカードによっては早めに始まってたりとか、色んなことが起こってるわけ。スカイセンサーっていう魔法のラジオを使ってると。そうすると、スゲェなこの人って思って。アニキはそういうことを教えてくれないけど、なんかやってる作業を見て、アイツも欽ドンを聴こうと思って部屋に入ったはずなのに、早くからラジオに向かってるのはなんだ、みたいなことで」

「アニキが何かの都合で居ない日に、一度スカイセンサーのイヤホンを肛門に入れてから、それを抜いて細かくアニキの合わせっぱなしのダイヤルとかを聴いてみると、『なるほど、アイツの予言は…なんだよお前。大抵、そういう予言者の類ってそういうのな』ってなって、アニキのことが分かったりとか」

さらに、以下のように語っていた。

「アニキが先にマンガを描き始めてたりとか、アニキのエロ本をずっと盗み続けてたから。変な話、その後アニキとは袖を分かつわけだけど、最初のエロ本はアニキの趣味に染まってますもん。それで、あんまりにも俺がアニキの本をとるんで、アニキが宗旨を変えるっていう(笑)『これは、ぬすまれない』って統計を出してね。普通だったら、怒って良いわけですよ。でも、ウチのアニキはスゴイ静かな人だから、そこを、静かに努力していくんです。『持って行かれないのは、この系統だな』って(笑)」

「そういう風に、アニキの踏んだところを俺は踏んで来たし、アニキがマンガを描き始めれば俺もマンガを描きたいと思うし。最初は、アニキの部屋で見たマンガに染められて、次第に『これ違うんじゃないかな』って思い始めて、分かれていく、みたいなことなわけ。そんなアニキだから…良いけど(笑)権利はあるけどね。でも、なんだろうねアニキのネタを見る恥ずかしさって分かります?(笑)」

「アニキがガチに書いて来るネタを見る恥ずかしさで。アニキのスタンスとしては、『別にお前に、深夜の馬鹿力カードをくれとは言わないけど、俺は自分で勝ち取る』って思ってるんだろうね。あの人は、ラジオリスナーとしての面白さも俺に教えてくれた人だから、『もらいたいんじゃない、読まれてもらいたい』と。ヤフオクとかで買いたいとも思わないし、拾いたいとも思わない。コネを使ってもらいたいとも思わない。ただ、『書いて読まれたい』って意識が強いから、ペンネームとか書いてるの。恥ずかしいでしょ。実のアニキで、20年くらい会ってないんだよ。音信もないのに、ネタを書いて来るってこの感じね」

「あと、アニキに言っておくけど。アニキも会ってないから、考えること多いと思うけど、あんまり面白くないから採用してないだけだからね。フラットな採用だからね。だって、アニキが名乗ってないのに、アニキだからって採用したら不公平でしょ。コネ入社じゃないですか。でも、アニキは『ちゃんと、ネタを読まれた証としてノベルティ・グッズをもらう』ってことで、住所が書いてあるから。しばらく行ってなくたって、実家の住所は分かるよ(笑)お前の名前書いてあるし」

「それは良いけどね。今日も正々堂々と書いてくれよ。頼むぞ。…どうやら、他の番組にも普通に投稿してるらしくって。他の番組に何が投稿されているか分かんないんだけど、全然違う番組のスタッフから、『伊集院さんの兄を名乗る、なりすましのメールが来たんです』って聞いて。『どんなメール?』って訊いたら、本物なんですよ(笑)どう考えても。分かるもん。笑いのセンスとかも、最初はアニキに影響されて出来てるものだから。アニキが書きそうなこととかも、スゴイ分かるワケ」

「それで、なんだろうこのドキドキする感じ。もともと、ラジオに先にいたのはウチのアニキなんですよ。書くな、とも思わないんですよ。もっと言えば、俺、オールナイトニッポンに無名で起用されたとき、最初にきたハガキの5 %くらいはアニキのネタなの。まぁスゴイ勢いでアニキがネタを書いてくるから。その頃から、そんなに面白くはないんだけど(笑)だけど、まぁまぁ面白いのもあったりして」

「俺からしてみれば、アニキのネタの割合が減っていくってことのが、ちょっとずつメジャーになっていくっていうイメージの時もあったから。ずっとアニキはラジオが好きで、ずっと投稿するってスタンスは変わってないんだろうけどね。でも、なんだろうか、この恥ずかしさ。だけど、この歳になるとイヤではない感じっていうのかな。俺のバイト先にお袋が来るほどイヤではない」

「アニキが、俺に教えてくれたラジオ道からも反さず、当然、そこから流れをくんでいる、僕の思う温度、みたいなところから外れずにくるし。ただ、この感じはなんだろうか…ということで、兄ちゃんね(笑)私信だったら、家でやれよ(笑)あと、恥ずかしかったのが、兄ちゃんなんて呼んだこともない。アニキっていうのもあんまり呼んでないんで、恥ずかしいんですけどね」と語っていた。

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